特集 東日本大震災現場から
避難所を転々と流浪
福島県 加藤起
全国からの救援・激励に感謝します。福島県本部事務局は4月8日に会議を開き、名簿に従って「浜通り」在住会員の安否情報の突き合わせをやった結果、地震・津波で命を落とした会員はいませんでしたが、テレビの映像でご覧のとおり生死紙一重でした。
加えて東電福島第1原発大破断により近接市町村(南相馬市、浪江・大熊・楢葉の各町)の会員はほとんど例外なく避難所に避難、転々と流浪しています。また親族のつてを頼って遠く県外に避難しています。この原発による被害は収束するどころか。ますます拡がり、先が見えません。この中でも会員は頑張っています。いわき市に避難した原発福島県連会長の早川篤雄さん、全国原住連代表の伊東達也さんも無事で全国に情報を発信し続けています。会員で地方議員の南相馬・渡部寛一市議、大熊・石田洋一町議、新地・井上和文町議も自ら被災しながら奮闘しています。
おっかあを返せ!
岩手県 牛山靖夫
「おっかあを返せ!海のバカあ」「おっとうと家を返せ!このバカ海」。
破壊された防波堤のそばで、子どもたちがかレキを叩いたり、蹴飛ばしたりして叫んでいた―。被災地に救援物資を届けに行った会員からの報告です。
死者・行方不明者7600人以上、会員では陸前高田市と大船渡市で3人です。8人が家を流されました。多くの会員が親せきや友人を亡くしています。高齢のためうちひしがれた会員もいます。
ようやく仮設住宅の建設がはじまりました。いま被災者は明日への希望を力に前へ前へ進もうと、全国の支援を受けて、復興への厳しい道に立ち向かっています。
内陸の会員は募金や物資を集めて、救援に全力をあげています。
まさにこの世の地獄
宮城県 根本京子
死者1万4435人、行方不明者1万1601人、避難している人13万人余(4月26日)。宮城はその6割ですが、海岸部だけでなく内陸部の被害も甚大です。同盟宮城の被災状況は、死亡1、行方不明1、家屋流出2、床上浸水2(判明分)です。親族の死亡、行方不明、家屋損壊は把握できていません。
私も4月下旬、津波被災地の県南の亘理町と石巻市、南三陸町に行ってきましたが、まさにこの世の地獄。今も家の土台だけが残る瓦礫の原、崩れ落ちている鉄道のレール、鉄骨をさらしているビル、へし折られた電柱や船。「強い日本」?一体どこの国の話でしょうか。被災者がいま求めているのは働き先、住居、生活資金です。
不屈中央版 №.443 2011.5.15