未曾有の大震災から3ヵ月、ある総合雑誌が「歴史の暗合」として関東大震災との類似点を上げて座談会を開いた▼震災前後の政治や社会情勢が似ているとして混乱を論じます。原敬が暗殺されて以降、高橋(是清)、加藤、山本、清浦、加藤(高明)、若槻と、ほとんど1年もたたず交代。一方平成の22年間に首相が14人も、小泉の後は、安倍、福田、麻生、鳩山と4年で4人の総理が▼社会状
況の類似点は、不景気が続く中で格差社会への不満から起きたとされる1921年の財閥、安田善次郎暗殺事件と、秋葉原の無差別事件を重わて論じます▼関東大震災の1年7ヵ月後には、治安維持法が公布され、3年後に3・15大弾圧、4年後に山本宣治が右翼によって暗殺、翌年浜口雄幸首相が狙撃され、満州事変が起きて日本は泥沼の戦争へと突入。いま、あの暗い時代を繰り返さないために、改
めて歴史から学ぶことが明日の日本を考えるヒントです。 (池)
2011年6月15日 不屈 N0.444 (2) (毎月15日発行)